認知症への介護給付は適正か?~一般質問より~

認知症の人の徘徊や行方不明などの実態調査によると、認知症が始まったころの段階として要介護1、2との回答が5割以上、認定前を加えると9割近くになるとのことです。

徘徊などがしきりに起こる時期は身体能力が保たれているため、要介護1か2と認定されることが多く介護サービスが十分ではなく、介護する家族にかなりの負担を強いる状況を招いています。
「介護離職を防止する」と言われ続けていますが、いまだに毎年約10万人が家族介護のために離職する実態があります。

介護保険法が成立した1997年当時、介護サービスの対象は寝たきりの人や体が不自由な人で、介護保険は「身体モデル」として作られました。ところが今は、介護サービスを利用する理由のトップは認知症です。専門家は、「最も切実なニーズである認知症に介護保険が適応していない」と指摘しています。

一般質問では、認知症の人が適切なケアを受けられるように、要介護認定調査の基準の見直しなどについて区の考えを質しました。

区の答弁
要介護認定にあたっては、運動機能が低下していない認知症高齢者の要介護度が上がるしくみが組み込まれており、介護認定審査会が認知症の症状など申請者固有の状態を勘案してい判定している。
要介護認定に対する利用者や事業者の声を踏まえ、必要に応じて国に意見を伝える。

私の周囲でも、受給できる介護サービスだけではとても在宅介護ができないことから、自己負担で身体介護や生活援助を利用して何とかしことを全うした人や、経済的な負担が難しく、家族の負担を増やさざるを得ない家庭など、決して少ない数ではありません。認知症施策が充実するよう求めてきます。

来年(2024年)度から3年間の「第9期練馬区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画(素案)」が示され、区民意見を募集しています。ぜひ、高齢者介護などについてのご意見を提出してください。