「沖縄、再び戦場(いくさば)へ(仮)」スピンオフ作品上映会報告
「標的の村」「戦場ぬ止み」「標的の島 風かたか」「沖縄スパイ戦史」など、沖縄と戦争をテーマにしたドキュメンタリー映画を製作している三上智恵監督。最新作「沖縄、再び戦場へ(仮)」は、「台湾有事」を想定して軍事拠点化する南西諸島の状況を撮影し、来春に劇場公開の予定です。
三上監督は「『このままでは、また沖縄が戦場になるのではないか』という危機感を一刻も早く市民と共有したい」と、新作映画の映像を45分にまとめたスピンオフ作品を作成し、無償で貸し出しを始めました。
私は、7月初めに区内で開催された上映会で視聴しました。
辺野古新基地建設の現場での抗議行動に参加したり、区内で反戦平和の学習会を企画し、沖縄および南西諸島に次々と自衛隊が配備されていることは知っていたつもりでしたが、想像をはるかに超えて日本が軍事化していることに大きな衝撃を受けました。三上監督はどのような心境で撮影していたのでしょうか。
16年以上継続して毎月9条スタンディングで反戦平和をアピールしている練馬・生活者ネットワークとして、その危機感を一人でも多くの人々と共有したいと考え、8月1日の午後、上映会を企画しました。
開始直前の悪天候で参加者の足が遠のくではないかと心配しましたが、ほぼ予定通りの参加があり、ほっとしました。
また、日頃から沖縄周辺の軍事化について活動している人や、つい1か月ほど前に辺野古や南西諸島など、まさしく作品の現場に行ってきた人から現地の状況を共有できたことで、より理解が深まったのではないかと思います。
アンケートより
最も印象に残った場面
・反対の座り込みをしている人を一人一人引きはがしている警察
・権力の横暴を実感した
・武器や戦闘機がどんどん運び込まれていくところ。そのために反対住民運動を強制的に退去させていて胸が苦しくなった
・運動の下火。長い闘いに疲れた住民
視聴してどんな危機感を持ったか
・もう戦争が始まっている感じがした
・ほとんど知識がなく見たので、すべてが戦争できる体制に向かっていることがショックだった
・政府が戦争に向かっていることは知っていたつもりだったが、現実を目の当たりにすると傍観している場合ではないと感じた
・ここまで平和憲法を無視して戦争に突き進む国の実態を感じた
・与那国の道路を戦車が走っている様子にさらに危機感が増し、戦争放棄はどこにいったのか
ほとんどの方が本編が完成したら観てみたいと回答されています。
会場からの発言
・民間シンクタンク「日本戦略研究フォーラム」が台湾有事を想定した机上演習を何度もおこなっている
・自衛隊は、米国との二国間だけでなく、多国間訓練をおこなっている。その数はトンデモナイ回数
・戦後の国会で「台湾有事」の発言回数は550回。そのうちの175回は今国会だった
・シェルター建設はゼネコンの利権が絡んでいるのでは
・島々の人々が置かれている状況を知り、戦場化している現状を何とかくい止めたい
南西諸島(琉球弧)をはじめ、国内の軍拡に注視し、二度と再び戦争することがないように、地域から平和を訴えていきたい。あらためてそう感じました。
2023年3月より開始した『沖縄、再び戦場へ(仮)』スピンオフ作品の上映会は、2023年10月31日まで。
ぜひ、身近なところで上映会を企画してみてはいかがでしょうか。