反対意見はなかったことに⁉~美術館改築に関する委員長報告~
練馬区議会には現在、五つの常任委員会と四つの特別委員会を設置し、区民の暮らしが良くなるために区の事業を質疑しています。そして、議案や陳情の可否、質疑の状況などをまとめた委員長報告が示されます。
練馬区立美術館再整備についての委員長報告に違和感
1985年に開館した練馬区立美術館。
公共施設等総合管理計画の方針に基づけば、本来なら「大規模改修」です。しかし区は、サンライフ練馬を廃止し敷地を拡張して建て替えることに決定。区財政から約81億円(膨れ上がることは容易に想像できます)を支出することやサンライフ練馬の存続を求める「美術館の建て替えに反対」の区民の声は少なくありません。
美術館再整備に関する審議を行う、総合・災害対策等特別委員会での質疑をまとめた委員長報告は、建て替えを推進する主旨の発言が列挙され、まるで反対する意見がなかったかのような文章でした。修正を求めましたが「反対意見は議事録を見ればわかる」と、聞き入れられませんでした。「議事録を見ればわかる」のは、賛成意見も同様では?
現状では国や都の補助金はなく、区独自の多額の税金を投入する美術館の建て替え。
美術館の建て替えについて、少し詳しくお話をすると
「区財政が厳しいと言われているのに大丈夫なのか」
「コロナ禍で生活が苦しくなっている人が増えているのだから、今、建て替えが必要なのか」
など、新しい美術館を手放しで歓迎する区民は多くないのではないかと考えます。
今回の委員長報告はあまりにも偏っていると言わざるを得ません。
美術館の建て替えを要望する議員が「反対の声を無視して強引に進める」という区を支持している表れだと感じています。