オリンピック関連経費はいくら?2021年度決算質疑より
オリ・パラ関連経費は約2300万円
現在会期中の練馬区議会第三回定例会は、2021年度決算審議の議会。
新型コロナウイルス感染拡大のために1年延期したものの、感染症収束の見通しがまったく立たない中で多くの反対の声を押し切って開催されたオリンピック・パラリンピック東京大会。
練馬区財政から支出した約2300万円の大会関連経費について、決算特別委員会の区民費の質疑で取り上げました。
東京五輪・パラリンピック組織委員会は、6月21日に開催された第50回理事会において、新型コロナウイルス感染拡大による史上初の1年延期で昨夏に開催された大会の経費を総額1兆4238億円とする最終決算を発表しました。
経費に関する契約書などの文書は清算人が10年間保管するが、開示の義務がない。
開催自治体の東京都でさえ「閲覧は困難」と考えている。
当初の2倍に膨らんだ経費や新型コロナ流行下の開催で国民の批判を受けた大会の検証が難しくなる。
などと報道されました。
大会経費の総額は1兆4238億円のうち国の負担が1869億円、東京都の負担が5965億円(このうち練馬区負担は2300万円)と本当に多額の税金が投入されたことになります。
具体的な支出とは?
新型コロナの感染拡大で聖火リレーやホストタウンの交流事業など、予定されていたイベントの多くが中止、縮小されました。具体的にどのような支出があったのでしょうか。
聖火の点火セレモニーのイベント開催にかかる準備経費
練馬区ゆかりの選手のパネル展
ホストタウンのエクアドル選手団受け入れ時のPCR検査などの感染予防対策費 など。
決算説明書をリンクします。オリ・パラ関連経費は249ページ(表示は「101ページ/392ページ中」)をご覧ください。
ホストタウン事業の成果は?
練馬区のホストタウンはデンマークとエクアドル
目的は、ホストタウン事業は東京大会を通じて
スポーツ立国、グローバル化の推進、地域の活性化、観光振興などに資する観点から
参加国、地域との人的・経済的・文化的な相互交流を図ること
大会開催前後に小学校の児童とデンマーク選手団とのオンラインの交流会を実施
練馬総合運動場で練習するエクアドル選手団をフェンス越しに大勢の区民が応援
大会終了から1年
今年はエクアドル独立200年の節目ということで、8月12日のエクアドルの独立記念日に合わせて本庁舎アトリウムでパネル展示を実施したとのことです。
功罪を忘れない
東京大会を機にユニバーサルスポーツの普及を促進させたりスケートボードができる広場の整備が決まりました。
また、ロシアのウクライナ侵略は、いとも簡単に戦争が始まり、平和な社会が壊される現実を目の当たりにし、人と人とが交流し、平和を築く努力が必要であると感じています。ホストタウン事業もその一端を担っていると言えるのかもしれません。
しかし、それは多額の税金を投入するオリンピック・パラリンピックを開催しなければ実現できないことなのでしょうか。
そもそも「復興五輪」「フクシマはアンダーコントロール」「温暖で理想的な気候」などまやかしのプレゼンで招致されたのが東京大会です。
招致の際にも贈収賄疑惑が報じられましたが、終了から1年経過した今年、スポンサー契約をめぐる複数の贈収賄事件が明るみになりました。始まりから終わりまでお金まみれのオリンピックだったと言わざるを得ません。
2030年の冬季五輪・パラリンピックの開催地に立候補している札幌市で招致反対運動が活発になっているのは当然と言えば当然だと思います。開催費用や運営方法など、東京大会の結果を踏まえて見直すべきだと考えます。