森林環境譲与税について~予算特別委員会質疑より~

森林環境譲与税 来年度の交付額は7500万円

2019年 3月に「森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律」が成立し、2024年度から「森林環境税」が課税されます。
森林環境譲与税は、地方譲与税のうちのひとつとして2019年度から前倒しで制度が始まりました。

譲与税の配分額は、各自治体の森林面積や林業就業者数、人口をもとに算定します。したがって、大都市への配分額が多くなっている現状があり、広い森林を抱え、整備が必要な自治体にとっては単年度では少額すぎて使途がなく、積み立てて事業に充てるしかないというケースもあるようです。総務省と林野庁の調べによると、2019年度、2020年度に市町村に配分された金額の約54%が使われずに、基金に積み立てられていたとのことです。

練馬区で森林環境譲与税が充てられる事業を確認したところ、2019年度は環境費と教育費。2020年度は環境費、教育費、こども家庭費に使われています。
・みどりの区民会議経費や保護樹木等の調査および管理経費、憩いの森の経費(環境費)
・国産材を使用した校舎の改築、ベルデ軽井沢の改修(教育費)
・秩父青少年キャンプ場の経費(こども家庭費)

地球温暖化、気候危機対策は待ったなし

森林環境税は、地球温暖化防止や国土保全のために、森林を整備・管理する財源として創設されました。

豊島区では、交流都市である長野県箕輪町と協定を結び、箕輪町の森林を整備しています。2020年度は、豊島区に交付される森林環境譲与税を活用し、箕輪町の山林の整備を実施。さらに、長野県の認証制度により、年間4.7トンのCO2吸収量の認証を受けて、区内のCO2排出量と森林整備で得られるCO2吸収量を相殺するカーボンオフセットを実施しました。
練馬区としても、友好都市である上田市の武石地域の森林再生に森林環境譲与税を活用し、カーボンオフセット事業に取り組むことを提案しました。

森林環境税の徴収は2024年度から

森林環境税は、住民税の均等割りに1000円上乗せする形で徴収されます。

現在、東日本大震災の復興のための増税(復興特別住民税)が2014年度から2023年度までの10年間、住民税の均等割りに1000円上乗せされて徴収されていますので、復興税の増税措置期間が終わったのちに「森林環境税」に転換する、という見方もできます。
税金の使い方について、区民の理解を得るためにも次世代につなぐ環境施策として打ち出し、気候危機対策に充てることを要望しました。