東京オリンピック・パラリンピックの延期または中止を求める意見書提出を提案

正副議長や所属する委員会などの人事から始まった練馬区議会第二回定例会は、6月18日(金)に閉会しました。

最終日、「感染拡大の懸念を払拭できない限り、東京オリンピック・パラリンピックの延期または中止を求める意見書」を4会派(インクルーシブな練馬をめざす会、共産党、立憲民主、オンブズ)14名で議員提出議案として提出しました。
しかし、自民党、公明党、未・都・国、練民会、4会派34名が反対し、否決されました。

3回目の緊急事態宣言は期間を延長したあと、6月20日に解除されましたが、都が毎日発表する新型コロナウイルス新規陽性者数は、一進一退でとても収束に向かっているとは感じられません。

いま必要なことは、感染拡大の防止に全力を注ぎ、経済の停滞で困っている人々の命と暮らしを最優先に対策していくことだと考えます。また、医療従事者の方々は、過酷な状況に置かれており、オリ・パラを強行することは感染症対策とも矛盾しています。

さらに、子どもたちも学校行事などの縮小・延期をはじめ、1年以上も我慢を強いられているのに、なぜ、オリンピック開催だけが特別扱いなのでしょうか?

国は「安全・安心なオリンピック」とスローガンを掲げるだけで、いまだに説得力のある説明がなされていません。また、都知事からも積極的な発言がありません。

新型コロナウイルス感染症の収束がいまだ見込めない状況にあるため、オリ・パラの開催延期または中止を求める意見書を、区議会として国や都に提出するよう働きかけました。しかし、反対多数で、意見書の提出は叶いませんでした。

なぜ反対したのか?
議員提出議案について、議会運営委員会では一切の質疑はなく、本会議においても反対の討論をする議員は誰ひとりいませんでした。

反対した議員には、オリ・パラの開催を疑問視したり、区民の生活や医療体制の充実などの感染症対策を優先してほしい、という切実な声は届いていないのでしょうか?

7月17日(土)には、聖火リレーが練馬区内を通り、練馬総合運動場公園でセレブレーションが行われる予定になっています。

緊急事態宣言解除後、早速オリ・パラの観客数の上限を1万人にすると発表するなど、開催ありきの政府や東京都、大会組織委員会をはじめとする五輪関係団体の姿勢に、もう誰も止められないのかと暗澹たる気持ちです。

葛西臨海公園にカヌー競技施設が建設される予定となり、自然破壊を懸念して見直しを求める声が上がっていた2014年。日本野鳥の会の方のガイドで現地を見学したのは遠い昔のようです。コンパクト五輪はどこへ行った⁉