「あなたは悪くない」の姿勢で性暴力対策を

生活者ネットワークは、「女性が暮らしやすいまち~女性の安全安心調査プロジェクト」を立ち上げ、セクハラ、DV(ドメスティック・バイオレンス)、性暴力について、制度の学習会や当事者・支援者へのヒヤリング、専門機関の視察などをもとに自治体調査を実施しました。

調査からは、自治体施策として義務化されていない部分でのセクハラ対策、DV被害者支援、性暴力被害者支援施策の必要性への認識が総じて低いことを感じました。
とりわけ、性暴力については根拠法がないため自治体の取り組みの差が大きい状況です。

内閣府男女共同参画局の「性犯罪、性暴力とは」のサイトでは、「望まない性的な行為は、性的な暴力にあたる」と明記されています。性犯罪は警察が認知したものですが、性暴力は警察に行かない、行けない、全てのものです。

区内で起きた全犯罪件数と、そのうちの性犯罪の件数を確認したところ、区でわかるのは性暴力として相談を受けた件数のみで、2018年度は3件でした。レイプなどの性暴力は、この国で最も報告されない重大な犯罪であると言われています。犯罪件数としてカウントされるのは氷山の一角に過ぎません。

性暴力の被害者は、体への直接の被害だけでなく心にも深刻なダメージを受けています。さらに、他者からの無理解や心ない発言で二次被害を受けることもあるため、誰にも相談できずに孤立してしまう中で、自分を責めてしまうことが少なくありません。適切な支援につなぐためには、自治体の相談窓口に「性暴力」を明確に示すことが必要であり、「悪いのは加害者、あなたは悪くない」という姿勢が求められます

この調査の結果、共通する課題は「人権教育」としての性教育です。
区立小・中学校において助産師や保健師、産婦人科医など専門職または民間団体を招いての性教育を実施しているのは2018年度全34中学校のうち、6校だけ。
等しく学ぶ権利の視点からも、全校での実施が必要です。

防止・相談・支援・教育など誰もが安心して暮らしやすいまち練馬を実現する施策を求めていきます。

10/11(日)調査プロジェクトメンバーでジェンダー平等や性暴力根絶を訴えた@立川駅 右端がやない克子