子どもへの化学物質対策、議会での質疑や学習会を開催

教職員全体で化学物質対策の共有を

「3月に入ったら卒業式に向けて体育館のワックスがけをすると学校から連絡があった。ワックスがけして間もない体育館での卒業式で体調が悪化しないか心配だ」と、1月半ばに保護者から相談がありました。
今、学校では新型コロナ感染症拡大防止の対策を迫られていますが、1月半ばと言えば、まだ世界中に感染規模が拡大するなどほとんどの人が想像できていなかった頃です。

相談者は、これまで時間をかけて化学物質対応について学校に相談や情報提供をしてきたことで改善に向かっていると感じていただけに、進学先の対応も含め不安になったということなのです。
担当課に状況を確認し保護者からの心配事を伝えたところ、卒業式前のワックス掛けは延期になりましたが、化学物質に配慮が必要な児童が在籍していることを、用務業務を含む、教職員全体で共有できていたのか疑問を持ちました。

化学物質過敏症対策を個人の問題とするのではなく、予防原則に基づく学校運営を求めるために2月議会の予算特別委員会で取り上げることにしました。

そもそも、文部科学省の「健康的な学習環境を維持管理するために~学校における化学物質による健康障害に関する参考資料~」によると、「床のワックスがけは、可能な限り長期休業中に行い、新学期までの間に十分な換気をおこなうことが望ましい」と記されています。この考え方に基づくと、卒業式前のワックス掛けは好ましくないのではないでしょうか。
また、関係者に取材をしてみて色々なことがわかりました。
ワックスなどの選定に当たっては、当然シックスクール対応の基準を満たすものを購入するわけですが、担当者に関心や知識があることで「より良いものを」選ぶことが可能なこと。
用務業務に当たっている職員の方は誰もが「子どもたちのために」と考えていること。
学校全体で共有できていれば、スケジュールの調整が可能なことなどです。
相談のあった学校でも、きれいな体育館で卒業式、入学式をやってあげたいという思いがあるわけですが、良かれと思っていても残念な結果になってしまっては、お互い不幸だと思います。
委託事業者の職員も含め、用務業務の資器材などの情報を共有できるような工夫を要望しました。

「気になりませんか?子どもの脳に有害な化学物質」を開催

2月20日、ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議の水野玲子さんを講師に迎え、学習会を開催したところ、親子連れを含め大勢の参加があり、あらためて関心の高さを感じました。
参加者のアンケートでは、「生活を見直そうと思った」「今まで気をつけて生活してきたつもりだったが、『こんなものまで?』というものもあり、勉強になった」「同じようなテーマで継続して学習会を開催してほしい」など、身の回りにあふれる化学物質についてお知らせすることができました。

新型コロナウィルス感染症対策として、消毒・除菌などがさかんに言われています。
水野さんは「こんな時期だから、なかなか言いづらいが」と前置きしながら、市販されている消毒剤、除菌剤の成分についてとりあげ、
手指消毒剤として市販されているもので「第4級アンモニウム 塩化ベンザルコニウム」を希釈したものがあるが、この成分は元々、手術室などの機器の消毒に使用されていたもので手肌につけるものではない。(希釈していても要注意)
除菌製品に使用されている「二酸化塩素」は厚生労働省は消毒薬として未認可であること。
過剰な抗菌・除菌・殺菌・消毒は逆効果、過ぎたるは及ばざるがごとし(耐性菌の増加や免疫力低下)、など指摘しました。
米国で5万5000人の看護師を対象にした調査によると、週1回消毒剤を使用するだけでも、慢性閉塞性肺疾患のリスクが32%上昇するという結果が出たそうです。

練馬区ではフッ素洗口はどうなっているか?

「練馬区では子どもにフッ素添加を強制している。区が決めてプロの医者が大丈夫と言っているのだから安心して」と無理やりフッ素を塗られている。どうしたら良いでしょうか?

こんな質問が会場から寄せられました。
早速、区に確認したところ

区立小中学校、幼稚園:歯科医師会からのアプローチはあるが、給食後の歯磨きで十分と考えているため実施していない。
保育園:区立直営、委託園は、実施していない。という回答です。

区内の保育園や幼稚園でフッ素のことで困っている状況があったらお知らせください。

学習会の司会を務め「柔軟仕上げ剤等に含まれる香料の成分表示などに関する陳情署名」の協力を呼びかけました。 講師の飲み物は、ビワ茶をポットで用意。ペットボトルは提供しません。