「環境に影響なし」と言うけれど~外環道工事の気泡発生~
現在、シールド工法によって進められている、関越~東名間の東京外かく環状道路。
2018年5月から7月にかけて東名ジャンクション付近の野川、2019年8月の大泉ジャンクション付近の白子川に続き、シールド工法に起因する3回目の気泡発生が確認されました。
場所は調布市入間町で、世田谷区と狛江市と接しているところです。
これまでと異なるのは、シールドマシンの掘進が事業用地から民有地に進んでいることと、同じ時期に広範囲にわたって複数個所に気泡が発生していることです。
2018年の最初の気泡発生を受けて、事業者は「地質状況に応じて掘進時に使用する添加材や圧力を調 整し、安全な掘進方法を確認しながら掘進する」と説明し工事を進めてきました。しかし、添加剤など詳細について住民が説明を求めても応じてきませんでした。
外環本線の大部分は、地下40メートルに位置しますが、それは、土地所有者や居住者等の承諾なく、無補償で大深度地下に使用権を設定できる大深度法に基づくものです。
計画発表当初「地上には影響を及ぼさない」と説明してきましたが、気泡発生以降「周辺環境への影響はない」という表現に変わったことで沿線住民は不信感を募らせています。
外環沿線自治体の議員への呼びかけがあり、3月23日に現地を視察し、市民団体から説明を受けてきました。
野川の谷戸橋付近で複数の絶え間なく発生する気泡を確認。
上流(シールドマシンが進む方向)に向かって約150メートル地点では、断続的に発生する気泡と、水面に上がった気泡が半球状になってしばらく漂っている状況でした。半球状の方は、気泡材として使われている界面活性剤ではないかと懸念しています。(以前に質問した際に、事業者は「家庭用洗剤に使用される安全なものです」と答えましたが、そうであるならなおさら水質への影響が心配です)
さらに、約300メートル上流でも確認されたとのことでしたが、視察当日は気泡発生を確認することはできませんでした。
現段階の事業者のホームページでは「気体自体の酸素濃度は漏気量が微量のため現在計測できておりません」となっていますが、市民団体の方が工夫して採取し、計測したところ酸素濃度は2%前後を示しました。(大気中の酸素濃度は約21%)
東名ジャンクションから野川に沿って掘進してきた外環本線は、視察現場辺りから野川から逸れて住宅地の真下を進んでいきます。
これまで気泡が確認できたのは水中だったからであって、公園や道端、庭など地面から出ていても確認することはできません。
国と事業者は、一連の気泡発生の原因究明と情報を公開し、住民の合意が得られるまで工事を中断すべきです。
終わりの方の映像が乱れています。ご了承ください。