練馬上空は外国?
「羽田空港において来年3月29日の夏ダイヤから、新飛行経路の運用および国際線増便のための手続きをすすめる」と8月8日、石井国土交通大臣が発表しました。
その後、8月27日の練馬区都市整備委員会で
・経路直下となる自治体に、航空機の騒音を常時モニタリングするための騒音測定局を練馬区職員研修所に設置すること
・航空保安施設や航空路の安全性に関する飛行検査を8月30日から12月下旬まで実施すること
・練馬区役所内での「情報発信拠点の開設」
などが報告されました。
新飛行ルートが一部横田空域を通過するため、米軍が難色を示していると報道されたのも「今は昔」という感じです。
「羽田空港機能強化」による落下物や航空機騒音は心配ですが、練馬上空は現状すでに、ヘリコプターなども含め、航空機がかなりの騒音で低空飛行している状況です。
私は練馬区の西部に在住していますが、午前中の時間帯に定期的に北東から南西に向かって轟音で飛んでいく航空機を頻繁に目撃しています。
国土交通省に確認したところ、「(横田空域があるため)練馬上空を飛行する民間の旅客機は約5500m以上はるか上空を飛んでいるので、自衛隊機か米軍の航空機である可能性は高い」との回答でした。
(来年からの新飛行ルートは民間航空機でも約900~1300m上空を飛行します)
練馬区の上空の大部分は、在日米軍の管制下「横田空域内」にすっぽり入っていることをご存知の方も多いと思います。1都9県におよぶ広大な横田空域の中では、米軍は日本政府の許可なくどんな飛行をすることも軍事演習をすることも可能です。
沖縄県では、米海兵隊普天間基地に配備されているMV22オスプレイの墜落事故やトラブルが相次いています。東京では、横田基地に2018年10月に空軍CVオスプレイが配備されており、横田空域内で頻繁に低空飛行訓練が行われ、練馬上空でも度々目撃されています。
「日米地位協定」や横田空域の設定は、ごく少数の在日米軍幹部と日本の外務省の担当者で構成されている「日米合同委員会」で決められています。
日米地位協定は、基地関連の費用負担や裁判権など、日本にとって不平等であると指摘されていますが、一度も見直されていません。
埼玉県では、米軍基地の設置の有無にかかわらず「横田空域」下にある自治体が渉外自治体連絡会を構成し、日米地位協定の見直し、改善を求めているそうです。上空の大部分が「横田空域」である練馬区。区長は、区民の安心と安全に責任を負う立場から、日本国憲法の上位にあると指摘される日米地位協定の抜本的な見直しを求めるべきと考えます。
横田空域・日米地位協定・日米合同委員会の実態とカラクリがどのようになっているのか?
「横田空域 日米合同委員会でつくられた空の壁」の著者、ジャーナリストの吉田敏浩さんを講師に迎え、区民の方とともに学習会を企画しています。
詳細が決まり次第、お知らせします。