住民の安全を最優先すべき ~外環道大泉JCT工事説明会より~
騒音や振動、防犯上の不安、周辺道路の交通安全、そして11月21日に発生したクレーン転倒事故への不安など、11月27日、28日の国交省による説明会では多数の住民から疑問や苦情が出ました。
住民が納得する安全対策を
外環道大泉ジャンクション予定地では、用地買収が進み、すかっり様変わりしています。すでに、東映通りは外環の準備工事のために大きくカーブして見通しが悪くなっています。さらに、今後の工事の進捗に伴って道路の線形が変わり、歩道の位置もその都度変わっていく計画になっています。歩行者はもちろんのこと、運転者にとっても非常に危険だと感じました。
これまでの説明会では、事業用地の掘削によって発生する土は、比丘尼公園内に設置された仮設橋から目白通りに出て外環道を使って搬出していくと聞いていました。ところが、仮設橋から東映通りをつなぐ工事用道路は、用地買収が終わっていないために完成のめどが立っていません。完成までの間は、東映通りは大型車の通行ができないため、4トン車など小型(それでも大きい車両ですが)の車両を使用して東映通り~比丘尼交差点~目白通り~外環道から搬出することになっています。事業者は、誘導員の配置や登校時間には通行しないなど配慮するとしていますが、不安が払しょくされたとは言えません。また、騒音や振動、一般道の渋滞が懸念されます。
工事中の地域の安全確保や安全対策等について、地域住民等への情報提供や意見交換を目的とした「外環事業に伴う大泉ジャンクション周辺地区安全対策等連絡会」が発足しています。しかし、住民側の参加は地元町会・自治会・商店会と学校(PTA含む)に呼びかけただけで、どの団体にも所属していない多くの住民への対応として適切なのか疑問が残ります。説明会当日に出された交通安全上の不安や疑問に、この連絡会が機能していくようにはたらきかけていきます。
事故はまるで「他人事」のような国の態度
立て坑工事現場のクレーンの転倒事故は、犠牲者が出なかったことがまさに「奇跡」だったと、報告を聞いてあらためて感じました。事故原因を究明するまでは工事を中断すると言っていますが、外環の工事すべてを中断するべき重大事故だと思います。この工事の事業者はNEXCO東日本ですが、今回の説明会での国交省の対応はまるで「他人事」のようで、事業主体としての責任を全く感じていないと受け取れました。完成を急ぐあまり安全性を軽視することはあってはなりません。
住民の不安・疑問に対応する体制の確保を
ジャンクション部の地上部道路がどのように整備されていくのか、という質問対して、「地上部は東京都が計画するもので、現段階ではわからない」、埋蔵文化財に関する質問には「都の教育委員会と協議しながら適切に進めていく」、などの回答も責任のなさを感じました。
現在、三原台中学校の近くにあるオープンハウスは、今後の工事で支障となるため、来年の3月末に前原交差点付近に移転します。工事の進捗の疑問や苦情の受付など、担当者を常駐させ、周辺住民への丁寧な対応をするように求めていきます。