「外環の地上部街路」の複数案、東京都へ撤回を要求
練馬区における外環の地上部街路の東京都複数案が提示され、「広く意見を聴く会」「オープンハウス」の開催日程と会場が公表されました。それを受けて、「とめよう『外環の2』ねりまの会」は住民との合意形成をまったく無視したやり方であるとして、1月10日(金)に都庁で抗議行動を起こしました。都議会議員5名、練馬区議会議員3名が立ち会う中、参加した約20名の会員から複数案を前提とした、「広く意見を聴く会」「オープンハウス」の開催の撤回を求める申し入れを行いました。また、沿線の杉並区、武蔵野市、三鷹市の住民の会の代表者からも「練馬区内の計画を推進するのは沿道他区市での話し合いを軽んじるもの」と抗議の申し入れがありました。
「練馬区における外環の地上部街路のあり方(複数案)」に反対する理由
・外環道(高速道)は地下化するのに地域を分断し、環境を破壊する「地上部道路」は不要
・人口減、自動車離れ、地球環境重視が進むなかで、「50年前に計画された道路」に巨額の税金を注ぐことは将来に渡って負担を残すことになる
・都と住民の話し合いの会が杉並区・武蔵野市では継続中、三鷹市では未開催なのになぜ練馬区だけ先行して進めるのか?
・複数案といいながら、なぜ「地上部は造らない」案をはずしてしまうのか?
練馬区では、2012年2月に「『外環の2』に関する今後の取組方針(素案)」を公表し、それに対して区民の意見を募集しました。200通を超える意見が寄せられたにもかかわらず、いまだに概要すら公表されていない状態です。東京都(以下、都)はこの練馬区が意見募集したことを知りながら、意見を見ないで複数案を公表しました。都は地域の課題(環境・防災・交通・暮らし)解決のために地上部街路が必要だと言っていますが、それならなおさら募集した区民の意見を参考にすべきです。
この件について、練馬区は「都の動きを見ながら、いずれ公表するつもりだった」と言い、都は「練馬区が公表していないから意見は見なかった」と言っています。私たちは区民であり、都民です。相手が区であろうが都であろうが、意見が変わるものではありません。今日の都の担当者との質疑の中で、地域の意見を汲み取る誠意がまったく見えない行政の姿勢にもっとも憤りを感じました。
都への抗議活動終了後、都庁の前で道行く人々にニュースを配り、都への抗議文を読み上げるなどの街宣活動をしました。東京オリンピック開催を理由に外環道をはじめ大型の公共事業を進める動きが見えてきました。しかし、地域では「外環の2」についてまだ知らない人が大勢います。今後は都議会への陳情を出すなど、都議会議員をはじめさらに多くの方に知っていただく活動を展開していかなければならないと考えています。
自分の住む地域をどんなまちにしたいのか、将来どのような社会にしたいのか、一人ひとりが考えられるように生活者ネットの機能を生かして活動していきます。