子どもの最善の利益を保障する子ども施策の充実を

 いじめによる子どもの自殺が大きな問題になっています。子どもの権利条約を批准して20年以上たった今も「条約が社会に浸透していない」「独立したチェック機関がない」「教育システムが競争的である」など49項目にわたる勧告を国連・子どもの権利委員会から受け続けています。国の動きを待つのではなく、東京都や練馬区でも子どもの権利保障に取り組まなくてはなりません。

●子どもオンブズパーソンの設置を

 大津の事件を機に、いじめの実態調査や未然防止に向けた取り組みが始まっています。一方でいじめを受けている子どもが、相談したり、訴えたりできない状況があることも認識されました。練馬区では小中学校全校に心のふれあい相談員、小学校20校と全中学校にスクールカウンセラーを配置し、相談しやすい環境をつくりつつありますが、解決にむけては、調査・勧告の権限を持つ人権救済のための第三者機関が必要です。目黒区や豊島区のような子どもの権利条例に基づいた子どもオンブズパーソンの設置を求めていきます。

●教育と福祉の連携で子育ちの支援を

 いじめを受けている子どもを守るためには、学校だけでなく、地域、家庭での見守りが必要です。また、いじめる側になってしまった子どもも虐待を受けているなど、問題を抱えているケースもあります。

 学校内での教育的指導だけで、解決できる問題ではありません。子どもの権利を救済する機関や人的支援をコーディネートする必要があります。福祉の専門的知識も持ち、「子どもの学校生活」「地域や家庭での生活」をトータルで支援するスクールソーシャルワーカーの配置が急務です。練馬区でも配置を検討中ですが、人材育成は都が担うよう提案していきます。