「まいにち子ども食堂」を訪ねて
「30㎏のお米を引きうけてくれる、子ども食堂とか心当たりない?」
参議院選が終わって数日後、ともに活動する仲間を通して区内在住のKさんから相談がありました。
区内で子ども食堂を運営する数か所の団体のメンバーとは面識があります。しかし、いずれも月に1~2回程度で食数もそんなに多くはないと聞いていましたので、一度に引き受けるのは難しいだろうなと思いました。
せっかくの好意を有効に活用できないものかと考えた時に、板橋区で毎日、朝・昼・晩3食を提供する子ども食堂を運営している知り合いが頭に浮かび、連絡を取ってみると即「O.K.!」と。
日程を調整して、7月下旬に届けてきました。
その約半月後、またもやKさんから「またお米20㎏程あるんだけど・・・」と。
この前届けたばかりだし、保管場所のこともあるのでどうかな、と思ったのですが、
「お米は毎日、1升以上たいているので助かる。保管場所もあるので大丈夫」と。
そこで、提供者のKさんといっしょにお米を届けながら、子ども食堂を見学させてもらうことにしました。
訪問した「ワンダフルキッズ」は2011年、経済的困難な家庭の子どもたちの貧困の連鎖を断ち切るべき学習支援の場として開設。
しかし、活動していく中で、満足に食事をとれていない、自分に自信がないなど学習以外に支援が必要な子どもや若者が多く来るようになったそうです。そこで、子どもたちが安心して過ごせる場所が重要であると考え、朝7時から夜8時の間であれば、いつでも、何時間でも過ごすことができる居場所を2018年3月にオープンさせたとのことです。
1日の来所者数は約35人。
夏休み期間中は、食数は若干減るけれど、子どもたちの滞在時間が長いそうです。
内閣府の「子どもの未来応援基金」からの助成金や都の補助金によって、1年間の運営費(家賃や光熱費)は何とか確保できたそうです。 しかし、「子ども食堂を経済的(しかも寄付金を原資にした)に支援するより、子どもたちや保護者が置かれている状況を政策として改善するのが本来の政治の役目」と代表の六郷さんは指摘します。
また、子どもたちの成長を見守るために、板橋区の放課後対策事業「あいキッズ」の事業者など地域で活動する団体や子ども家庭支援センターとは関わりができているが、肝心の学校とは思うような意思疎通が難しいとのことです。
たとえば、インフルエンザが流行する時期、潜伏期など症状が出ていない子どもが来所して、他の子に感染させてしまわないかと心配で学級閉鎖の状況などを問い合わせたところ、適切な回答が得られなかったということです。
訪問した日は、学生のボランティアは不在でしたが、小学校低学年から中学生ぐらいの子どもたちがおやつを食べたり、ゲームに夢中になったりと思い思いに過ごしていました。
365日、3食を提供することは、並大抵のことではないと思います。
「とにかく子どもたちが安心して過ごせる場所を守っていきたい」という六郷さん。これからも応援していきたいと思います。