いらんじゃろう原発!再稼働も新規建設もお断り!
福島原発の事故の収束の目処すら立っていないのに、九州電力の川内原発1号機が今月11日にも再稼働されようとしています。川内原発に続いて、四国電力の伊方原発、関西電力の高浜原発と、安保法制のニュースの陰で、着々と原発再稼働の準備が進められています。 この上、さらに新規建設なんて、断じて許せません。
「奇跡の海」「瀬戸内海の原風景」と呼ばれる山口県上関町田ノ浦に原発を建設する計画が浮上して33年。建設予定地の真向かいに暮らす祝島の人たちを中心とした粘り強い反対によって建設計画は中断されています。しかし、3.11を経てもなお、国も中国電力もあきらめていません。
首都圏で上関原発に反対する活動している「上関どうするネット」は2009年に発足し、このバカげた計画を多くの人に知ってもらうために、2010年から毎年イベントを開催しています。私自身は、2013年からメンバーとして参加しています。
今年は、7月26日(日)に海洋環境学者の湯浅一郎さん、祝島の「氏本農園代表」の氏本長一さん、福島原発事故の精力的な取材を続けている、おしどりマコ・ケンさんをゲストに迎え、日比谷コンベンションホールで「いらんじゃろう上関原発~人も自然もいきものも~」を開催しました。当日は、「戦争法案廃案」を訴える、「7.26国会包囲」、「ママの渋谷ジャック」と重なり、集客が心配されましたが、集会には約160名が参加しました。
環瀬戸内海会議副代表 湯浅一郎氏は、瀬戸内海は、単位面積当たりの漁獲量が世界の海の中でも圧倒的に高く、まさしく「豊穣の海」。地球と月、太陽の相互作用によってできる潮汐が潮流を生み出し、海水を循環させ、生物多様性をつくりだす「宇宙が作る恵みの場」を原発によって破壊させるわけにはいかないと訴えました。さらに、原発建設と再稼働は、日本列島の世界的にも優れた生物多様性を保持し、回復させることが、中長期的な基本戦略として打ち出した「生物多様性国家戦略」に逆行している、と指摘しました。
祝島島民の氏本長一氏は、「懐かしい未来」をキーワードに、小さな離島『祝島』と大きな離島『日本』の基本的立地条件は同じはず。『ないものねだり型』ではなく『あるものさがし型』の地域づくりで本当の豊かさ(健康・安全・安心)を求めていくことの重要性を語りました。また、千年以上の歴史がある「神舞神事」は、植物系食糧を主体とした健康的な食生活や、種子の確保による食糧自給を示唆するものだということがわかりました。
上関どうするネットのメンバーの菅波完氏は、「上関原発計画に係わる公有水面埋立免許問題」を時系列で整理し、問題点を明らかにしました。本来であれば埋立免許交付から1年以内に着工、着工から3年以内に竣工が条件になっていたにもかかわらず、上関原発計画を継続させようとする政治的な思惑が、道理も手続きも逸脱したかたちで埋立免許を「延命」させている。山口県知事は「不許可」を決定すべきと訴えました。
おしどりマコ・ケンさんは、軽快なやりとりで「祝島」訪問記を展開。
福島第一原発の3号機使用済み燃料プールからの20tの燃料交換機の引き上げ作業について、敷地内の作業を中断して行うシビアなものであり、日程が迫っているのに、まったく周知されていないことは大問題と訴えました。(作業日当日の8月2日には、作業が終了した旨のニュースが、サラッと流れましたね)
集会後のパレードには、国会包囲から合流された方など約200名が参加し、「上関原発計画完全撤回」をコールしながら、日比谷公園~新橋東電前~外堀通り~数寄屋橋交差点銀座通~水谷橋公園まで歩きました。近い将来「祝 上関原発計画白紙撤回」のイベントを実現させたい、参加者の誰もが感じたはずです。
5月に示された「長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)」の骨子案では、2030年度時点で原子力が20~22%を占めています。これは、休止中の原発の再稼働と新規建設を意味するもの。自然環境や地域社会、暮らしを破壊する原発は稼働させるべきではありません。再生可能エネルギーの推進や省エネなど、一人ひとりがエネルギーのことを考え行動できるような情報提供に努め、原発ゼロを実現したいと思います。