「きょうだい児」支援事業が始まります

「きょうだい児」とは、障害や慢性疾患、発達に特性のある兄弟姉妹を持つ子どものことです。

きょうだい児が抱えやすい悩みとして、
・親がきょうだいのケアにかかりきりで、愛されていないと感じる
・無意識に感情を我慢する
・周囲との違和感・孤独感を感じやすい
・周囲の視線や偏見を感じやすい
・障害を持った家族(きょうだい)の面倒を見るのは自分ではないか、など将来への不安を感じる
などがあげられ、成長する過程や大人になってからの人生にもさまざまな影響を与えるとも言われています。

きょうだい児やきょうだい児支援などについては
日本きょうだい福祉協会
Sibkoto(障害者のきょうだいのためのサイト) を参考にしてください

練馬区のきょうだい児支援事業

事業実施にあたり、障害者計画(昨年策定)策定に向けて実施した当事者団体への聞き取りやアンケート調査で「きょうだい児支援」のニーズが高かったこと。また、国が医療的ケア児の家族を対象に実施した調査報告も踏まえたとのことです。
さらに、子ども若者育成支援推進法の改正によって、福祉的配慮から「きょうだい児支援」が自治体の法的責務となったことも、事業実施の背景にあります。

今年度の事業の内容は?

(1)レクリエーション事業

きょうだい児とその家族が一緒に参加できるスポーツや美術、音楽などのレクリエーション活動を実施する。
2025年度はこども発達支援センターおいて、2回実施予定。

対象は、主に小学生以下の年齢のきょうだい児およびその家族
1回目は11月実施予定

対象人数など
1回の参加人数は、親子10組程度 ただし、きょうだいの数、夫婦の参加など柔軟に対応。また、障害を持つお子さんの預かり事業を実施する。

今年度は障害の有無に関わらず美術を楽しむ企画に取り組んでいる団体に依頼

(2)ピアサポーターによる相談事業

きょうだい児と同じ経験をした相談員(ピアサポーター)が、自身の経験を活かし、きょうだい児の不安や悩みに対し、寄り添いながら話を伺い、助言を行う。大泉障害者地域生活支援センターにおいて実施する。10月開始予定。

対象は、主に中学生以上の年齢のきょうだい児

ピアサポーターはどのような人か:医療的ケア児のきょうだい児だった、大学生と既婚の方ひとりずつに依頼

10月から、ひと月に2回実施。各回10~20人を想定。車座になって話す機会を考えている。複数回参加しても可

予算や財源は?

今年度予算で計上されているのは40万円。団体や講師への謝礼や預かり保育に係る経費など。
国から25万円の補助がある。

区のホームページには「本事業は寄付メニューのひとつ」と掲載されています。
委員会では、来年度予算に向けて、寄付をあてにするのではなく確実な予算確保を要望しました。

当事者家族のご意見を伺いました

複数の保護者の方が
きょうだい児一人ひとりが、「差別の禁止」「子どもの最善の利益」「生命、生存及び発達に対する権利」「子どもの意見の尊重」など「子どもの権利」を持っていることを他人から聞く機会(親は日常で伝えているけれど、ほかの人から聞くこと、教えられることが大事)をつくってほしい、とおっしゃっていました。

ほかには
「家族が共に生きる」「家族がバラバラに生きることもできる」権利があること
きょうだい児支援は、親が安心するためではなく、きょうだい自身が安心できるための支援であることを主眼においてほしい
などのご意見を伺いました。

事業の詳細は、ねりま区報10月1日号、区ホームページ、SNSなどでの周知のほか、放課後等デイサービスや特別支援学校等の関係機関を通じて周知する予定です。

今後も、当事者の方々のご意見を伺いながら障害者福祉の向上に努めます。