順天堂大学医学部付属練馬病院 視察報告
8月28日(水)、医療・高齢者等特別委員会視察で順天堂医学部付属練馬病院(以下、順天堂練馬病院)を訪問しました。
視察先の目的は、2023年3月に東京都の認定を受けた、東京都救命救急センター(3次救急)と認知症の早期発見と進行を遅らせることにつながる治療と検査のためのPET‐CT装置の見学です。
順天堂練馬病院は、現在都内にある28か所の東京都救命救急センターの最後に指定されたセンターですが、2023年度の救急患者の受け入れ数は10番目だったとのことです。
医療機関のへの受入照会を5回以上行ったか、搬送先選定に20分以上かかった場合、いったん病床に空きがなくても救急患者を受け入れ、応急対応をしたのちに区内の病院に転院する「救急医療の東京ルール」 に則って、患者をたらい回しにしない「断らない救急医療」を実践しています。これは、救急車が停滞してしまうことを回避するためでもあり、そのためには区内の病院との連携と協力体制の構築が欠かせません。
コロナ禍では、救急搬送口に救急車が列を作り、場合によっては救急車の中で待機するケースもあったとのことです。
24時間体制の救命救急のスタッフは20名。医師も看護師も同じユニフォームを着用し、チームで救急対応しているとのことでした。
視察当日の状況によっては、救急センターの見学はできないことも想定していましたが、幸いにも落ち着いた状況で説明を伺うことができました。
認知症の早期発見と進行を遅らせることにつながる治療と検査のためのPET‐CT装置があるのは、区内では今のところ順天堂練馬病院のみ。
検査の結果、アルツハイマー型認知症と診断されるなど条件が整えばレカネマブ治療を受けられるます。しかし、2週間に1回の点滴や付き添いが必要、費用が高額(後期高齢者医療保険適用、所得が標準の場合で約18,000円/月)などの課題があり、今のところレカネマブの治療を受けている人はいない(予定はあり)とのことでした。課題が軽減されることで対象は広がるのではないかと説明を受けました。
コロナ禍以降、救急搬送の依頼は増加傾向(2023年度 13,235人)とのことです。
生命危機を伴う重症及び複数の診療科領域にわたる重篤な救急患者を順天堂練馬病院で受け入れ、地域の病院と連携して安心して医療を受けられる体制は、高齢社会が進展する中ますますニーズが高くなると考えます。
忙しい中、丁寧にご対応いただいた医療スタッフ、事務スタッフの皆さまに感謝いたします。