羽田新ルート運用開始から4年、現状は?
東京オリンピック・パラリンピックに向けた訪日客の増加やグローバル経済などを理由に国際線を増便するために、都心上空を低空飛行する羽田新ルートの運用から約4年余り経過しました。
春先から約半年間の南風の時期に羽田空港に着陸する航空機は、午後3時から7時までの時間帯に人口密集している都心上空を低空飛行します。
生活者ネットワークは、羽田新ルート計画が示された当初から落下物や騒音などの問題を指摘し、飛行ルートの見直しを求めてきました。
国交省は、
関係自治体等から新経路の固定化回避等に関して要望されていること
騒音軽減等の観点から見直しが可能な方策がないか
技術的観点から検討するための「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」を設置しましたが、約2年開催されていません。
また、今年1月2日に羽田空港で起きた、日本航空の旅客機と海上保安庁の航空機の衝突炎上事故は、羽田空港の過密化や管制官の人員体制などの課題が指摘されています。
7月18日(木)、大井町きゅりあんで「羽田新ルート問題23区議会議員交流会」が開催されました。
羽田新ルートによって騒音など大きな影響を受けている品川区では、区議会で新ルートの見直しを求める超党派の「羽田問題議員連盟しながわ」を立ち上げ、継続して活動を続けています。そんな中、他の自治体議員が大井町に来た時にあまりの機体の大きさと轟音に驚いた姿を見て、自治体を超えて運動を広げていくことが必要と、改めて認識し、今回の交流会を企画、関係自治体の議員に呼び掛けたのです。
足立、板橋、江戸川、江東、渋谷、新宿、杉並、中野、練馬、港、目黒(11)区から43名の議員が参加しました。
18時前に大井町駅を降りると間もなく、轟音と共に大きな機体が頭上を飛んでいくのを体感。
品川区のルート直下の住民は、4年以上もの間これが日常になっているのだ、暮らしへの影響があらためて心配になりました。
案の定、在宅で仕事をしている方や視覚障害の方など「暮らしが成り立たない」「飛行時は外出できない」など、深刻な相談が寄せられているとのことです。
練馬では運用当初は、今まで見たことがないような大き大きさの機影や轟音に対して区民から苦情や心配の声が届いていましたが、最近では慣れてしまったのかあまり聞こえてこなくなっています。しかし、落下物の心配がなくなったわけではありません。
空は繋がっているのですから、自治体を超えて連携して改めて飛行ルートの見直しを求めなければと実感しました。