市民から見た「東京外環道」

2020年10月、調布市の住宅地で陥没事故を起こし、2022年4月、大泉ジャンクション部で工事のために建設された構造物にシールドマシンが接触し破損するというお粗末な事故を起こしてもなお、着々と進められている東京外かく環状道路(以下、東京外環道)工事。

世田谷から発進したシールドマシン2基は掘進工事を停止中ですが、練馬側からのシールドマシンは2基とも事業用地外を掘進しています。
南行本線トンネル(グリルド) 7月31日7時時点 大泉ジャンクションから1317m
北行本線トンネル(カラッキー) 同じく 大泉ジャンクションから1762m

また、陥没事故周辺は、対象地域の住民を立ち退かせ大規模な地盤改修工事が進められています。

市民から見た「東京外環道」~沿線7区市では何が起きているのか?~

日時:7月28日(金)14時~16時30分
場所:武蔵野公会堂第2会議室
主催:外環ネット

2023年の統一地方選では、多くの新人議員が当選したこともあり、今まで東京外環道の問題点を指摘し、計画の見直しを求めてきた市民団体による学習会が開催されました。
沿線自治体の20名の議員が参加しましたが、練馬からの参加が私ひとりだったのは残念でした(個別にご案内した方もいますが、ご都合があわなかったようです)。

東京外環道は、1966年に都市計画決定されましたが、計画地の住民に大きな影響を与えることから当時10万筆以上の署名が集まるなど大きな反対の声があがりました。1970年、当時の建設大臣が凍結を宣言。以来、30年以上動きがありませんでした。
しかし、1999年、当時の石原慎太郎都知事が現地視察した後、地下化を前提に推進を表明。翌2000年に「大深度地下の公共的使用にかかる特別措置法(大深度法)」が成立し、東京外環道の事業が再び動き始めたのです。

以来、多くの沿線市民が数々の問題・課題を指摘してきましたが、2014年3月に都市計画事業が認可(承認)されました。事業認可後も、計画の見直しを求める市民の活動は継続。現在に至っています。

事業者は一貫して「地上には影響しない」と主張し続けてきましたが、酸欠気泡の発生や振動・騒音、果ては陥没事故など次々と大きな影響・被害が生じています。

冒頭に記したように、陥没事故周辺では、大規模な地盤補修工事が進められていますが、事業者が対象と認めない建物被害や住民の健康被害など、当事者の方々のご苦労は想像を超えるものだと感じています。

練馬区内も既に住宅地の下のトンネル掘削が始まっています。また、「世界最大級の難工事」と専門家が指摘する、地中拡幅部の工事が必要な青梅街道インターチェンジ建設計画もそのままです。

引き続き、住民の命と暮らしを守る視点で東京外環道の計画見直しや大深度法の廃止に取り組みます。

開始前の1枚。定員いっぱいの参加者でした。

「もし外環道ができると、私たちの町には、何が起こるの?」沿線の問題点がわかりやすくまとめられています