外環シールド機の破損、疑念が増すばかり
4月12日に発表された、大泉ジャンクション事業用地内のシールドマシンの破損とそれに伴う掘進工事の再停止について、15日夕刻、国会議員を通して事業者の説明を聞きました。
NEXCO東日本のホームページや新聞報道によると、
【今月7日、掘削機が取り込んだ土砂の中から、カッターの部品片などが見つかり、破損が判明】となっていますが、今回のヒアリングで新たな事実がわかり、さらに疑問が深まっています。
以下、事業者や練馬区から聞き取った時系列のまとめ
3月30~31日 地中壁切削作業⇒シールドマシンと鋼材が接触したことになる
4月7日 シールドマシン停止⇒1週間以上掘進していたことになる
4月11日 練馬区にシールドマシンの破損及び掘進工事停止を知らせた(練馬区から聞き取り)
4月12日 NEXCO東日本 プレス発表(第一報は夜)
4月13日 周辺住民にポスティングで通知
4月7日にシールドマシンを停止したと報告されていますが、沿線住民の方が毎日記録しているシールドマシンの掘進距離を見ると(毎日チェックしてエクセル表に記録)、3月30日から4月8日の間に12m掘進したことがわかっています。
・事業者が設置した構造物に接触したのだから「事故」ではないのか?
・シールドマシンが鋼材に接触したことに気づかなかったのか?
・シールドマシンが破損するほどの被害なのに、アラームなど接触を感知する機能はないのか?
・掘削土砂にシールドマシンの部品や鋼材の一部と見られるものを確認するまで1週間以上経過している、「排土管理を強化する」とした「再発防止対策」は機能していないのではないか?
・接触から停止、自治体への報告、住民への周知に時間がかかり過ぎではないか?
事業用地内の工事だからと、住民対応を疎かにしているのではないかと疑念が湧くばかりです。
極めつけは「シールドマシンは鋼材に接触したが、問題なく掘進できた」
???この説明にはあきれるばかりです。
短時間の質疑にもかかわらず、次々と疑問が出てきて、それに対する回答は、ほとんどが「現在調査中」「詳細は現時点で把握していない」という回答です。また、資料として提示されたのは、プレス発表と同じもの。地中壁の構造など全体像を把握することができず、不誠実であり大変不満が残りました。
今後、地上から開削して原因究明とシールドマシンの改修をするとのことですが、どのくらい費用が膨らむのか、現時点では不明とのこと。
既に、事業費2.3兆円と当初の計画から大きく膨らんでいますが、費用便益比(B/C)がさらに悪化するのは明らかです。
さらに、調布市の陥没事故の施行者もNEXCO東日本です。事故を重ねる事業者に公共工事を任せられるのか、認可した国交省の責任も問われる問題です。
東京外環事道は事業自体を見直すべきです。