“ピアふぇすた”2013 市民がつくる自然エネルギーの取り組み

 生活クラブ運動グループ主催の“ピアふぇすた”に参加しました。“ピアふぇすた”は私が所属している東京(練馬)・生活者ネットワークをはじめ、かつて所属していた東京ワーカーズ・コレクティブ協同組合や生活クラブ生協などさまざまな事業や活動をしている仲間が、1年間の活動を共有するイベントです。

 今年のテーマは“市民がつくる自然エネルギーの取り組み”。基調講演はNPO法人足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ(略称:足温ネット)の事務局長、山﨑求博(もとひろ)さんの「市民と地域が取り組む自然エネルギー」でした。足温ネットは京都議定書が採択された1997年に設立され、地域とのつながりを大切にしながら省エネの提案や創エネ(太陽光発電による市民発電所の建設)に取り組んでいます。

先ずは省エネを

家庭における電力消費量が多い家電は以下の4つです。

  1位 冷蔵庫  16.4%

  2位 照明   13.4%

  3位 テレビ  8.9%

  4位 エアコン 7.4%

 効果的に電力消費を減らそうとしたら、省エネ製品に買い替えることだそうです。平成19年に環境省が買替1件に10万円を融資する「省エネ家電買替モニター」をモデル事業として実施したところ、モニター58件の節電量は、なんと太陽光発電30kW分に相当するものだったとのこと。30kWの太陽光発電設備を建設しようとしたら1500万円かかりますが、このモデル事業では約600万円で済み、太陽光発電の半分のコストで発電量を賄えたと考えることができます。

・地域で市民が発電する意義は

再生可能エネルギー導入拡大による安心・安全で持続可能な地域づくり

一局集中型エネルギー供給システムからの転換=地域への富の分配(支払うだけから稼ぐ)

地域に住む人たちが「市民・地域共同発電」のプロジェクトに参加することで、それによって得られる社会的、経済的な利益を地域で分配することができます。

 

 最近、廃棄物処理の埋め立て地を利用したメガソーラー発電所のことが報じられていましたが、再生可能エネルギーであっても企業独占のエネルギー供給では今までと同じです。省エネの推進と地域での多様な市民発電所が実現することで持続可能な地域、社会をつくっていくことができるのではないでしょうか。

“ピアふぇすた”に先立ち都内各自治体の自然エネルギー政策と実態調査を実施しました。

・自然エネルギー政策の柱

・家庭や事業所への補助事業

・公共施設での自然エネルギー発電の取り組み

・震災前と最近の公共施設の省エネ割合(2009年度と2012年度の比較)

・東京電力以外の事業者(PPS)からの電力購入量

・市民発の自然エネルギー推進の活動を把握しているか

について聞き取り調査をしたのですが、エネルギー政策という位置づけが希薄、市民側の活動を把握できていないという残念な結果が見えてきました。

 練馬区では、同じ運動グループの「NPOエコメッセ・練馬(元気力発電所)」が武蔵大学、大泉双葉幼稚園、三育小学校、保育所(ごたごた荘)の4か所の屋根に、太陽光パネルを設置し市民共同発電所を実現しています。行政に明確な自然エネルギー政策のビジョンがないのであれば、市民発で政策提案していく余地があるということではないでしょうか。エコメッセの実績生かし、再生可能エネルギーを推進し脱原発社会のへの転換をめざす地域の仲間とともに、市民参加で地域のエネルギー政策に市民の意見が反映できる仕組み作りに取り組んでいきます。

 原発に頼らない社会やエネルギーのしくみを考え、行動することを目的として練馬区で活動している「市民のエネルギーひろば・ねりま」は《市民がつくるエネルギー政策》と題した連続講座を開催しています。次回はいよいよ、「練馬でのエネルギーシフトをどう進めるか?」。3回連続企画の最終回です。ぜひ、ご参加ください。

日時:12月15日(日)14:00~16:30

場所:練馬区役所本庁舎20階 交流会場 

講師:NPOエコメッセ・練馬 新藤絹代さん

資料代:500円