マイナンバー制度開始で発生する様々な費用

2017年4月12日 11時32分 | カテゴリー: 活動報告

私たちは、マイナンバー制度を推進するために、関連する様々なことに税金が投入され、新しい公共投資であることを指摘してきました。2016年1月のマイナンバー制度施行から約1年3か月が経過しました。国の制度でありながら、結局は区の一般財源からの持ち出しが大変多くなっていることがわかり、予算特別委員会で指摘しました。

2017年度、個人番号カード関連の国庫補助金は約7400万円。このうち、区の負担金として約5500万円が地方公共団体情報システム機構(J-LIS)に支払われ、差額の1900万円は関連する事務費に使えることになります。

住民票など、各種証明書の自動交付機が今年の6月30日をもって廃止され、区民事務所にはマイナンバーカードを使って証明書を取得する「証明書キオスク端末」が設置されます。この機械の1年間の賃借料が7台分、約600万円。各種証明書のコンビニ交付運営負担金が500万円。これだけで既に1100万円です。

練馬区民の個人番号カードの申請数は約10万枚(2017年2月末現在)。申請されたカードが区に届くと、区は交付通知書を送付します。3か月程度経過しても受け取りが無い場合、再度、受け取り催促の通知を送付します。昨年の9月以降、約9700通の催促通知を発送し、その郵送費が発生しました。

さらに、昨年末から事業所への税務通知書の送付について問題になりました。自治体は、事業所からの2016年1年分の給与支払報告書をもとに、6月以降の1年間の給与から天引きする住民税額を算定し、事業所に通知します。問題は2つあります。

ひとつは、通知書に従業員一人ひとりの個人番号を記載(今回は、自治体によって判断が分かれている。練馬区は記載)して事業所に送付することです。

個人番号を記載しなかった従業員の分や、個人番号を収集していない企事業所にも、自治体が住基ネットで調べて記載することになるからです。従業員は、勤務先への個人番号の提示は強制されず、本人に承諾を得ないままに個人番号を通知するのは、たとえ自治体であってもプライバシーの侵害にあたると指摘する研究者もいます。また、事業者にとっても管理の負担が増すことになります。小規模の事業所には、個人番号を厳格に管理しきれないと判断して、あえて収集しないところもあると聞いています。送付先の事業者の管理体制を確認しないまま番号を知らせることになれば、個人情報の流出も懸念されます。

もうひとつの問題は、個人番号を記載した税額通知書の郵送についてです。練馬区は今年から簡易書留に切り替え、約3500万円の費用が発生することになりました。この金額だけを見ても、国からの補助金から事務費として使える1900万円をはるかに上回っています。

区は、基盤整備のためには投資も必要だという考えですが、区の財源からの持ち出しがあまりにも多く、新たな負担と言わざるを得ません。