ネット+女性弁護士 憲法☆カフェ2015

 

 

 国会で安全保障関連法案が審議継続中の7月4日、横浜弁護士会所属、明日の自由を守る若手弁護士の会の櫻井みぎわ弁護士を講師に迎え、1年ぶりに「憲法カフェ」を開催しました。

 

 「日本」とかけて「空手家」と解く その心は? 「憲法(拳法)」を大切にします。

 「戦争」とかけて「魔法使い」と解く その心は? 「放棄(箒)」が重要です。

 なぞかけから始まった憲法カフェ。まずは、「憲法」とは何か、「法律」との違いについて共有しました。

法律:わたしたち一人ひとりに向けられた規範

憲法:生活者の人権を守るために国家や国の権力者に向けられた規範。守らせるためにわたしたちが監視しなければいけない。

日本国憲法9条とこれまでの解釈

 1項 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

 2項 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。 

1項により侵略戦争を放棄し、2項により、侵略戦争を含むすべての戦争(武力行使)を放棄している。前文も相まって徹底した恒久平和主義を理念としている。ただし、例外として、日本が直接他国から攻撃されたときにその攻撃を排除するために、必要最小限の武力行使だけは許される(個別的自衛権)と解釈してきた。

「安全保障法制案」はどのような内容なのか、可決されたらどうなるのか

 現行の「自衛隊法」「国際平和協力法」「周辺事態法」等10本の法律を改正する「平和安全法制整備法」と新規制定する「国際平和支援法」を整備することで、自衛隊の活動が一挙に拡大し、武力行使の実行性が高まることになるのです。

 これまで「個別的自衛権」しか認められなかったのに、今回の法整備によって、有事になる前の段階で「日本の平和と安全に重要な影響を及ぼす」と政府が判断したときに、いつでも、世界のどこででも武力行使が可能になり、聞けば聞くほどこの法案が、日本が海外で戦争する国づくりに向かっていると実感しました。いわゆる「3要件」によって武力の行使が厳しく限定されていると言われていますが、ときの政府の解釈によって、いかようにも広がる可能性があり、歯止めにはならないことは明白です。まさに、戦後70年、戦死者を一人も出してこなかった日本が大転換しようとしているのです。

 今が、まさに正念場!

 昨年7月1日、集団的自衛権の行使容認が閣議決定された当時は、「日本が海外で戦争できる国になる」という危機感から多くの国民の関心が集まりました。ところが、「1年前に比べると、関心が薄らいでいるのではないか」、と櫻井弁護士は懸念しています。「今回の法案成立で、より実行性が高まるのですから、なんとしてでもこの法案を通すわけにはいかない。今が正念場なんです」と。

 安全保障関連法案の廃案に向けた抗議行動は、国会周辺だけでなく地域にも拡がっています。練馬でも、さまざまな活動が展開されています。6月1日から始めた、超党派の議員による街頭アピールはこれまでに3回おこなわれました。7月1日には、「戦争法NO!ねりま集会&パレード」に1350人が参加し、今までに例を見ない大規模なものになりました。

 また、ネット上では“SEALDs”という若者たちの抗議行動も話題になっています。

 しかし、その一方で「戦争になんかなるわけない」「戦争にならないための法整備だ」と考える人々が少なくないのも事実です。本来の国会会期末だった6月24日の制定は何とか免れたものの、いつ強行採決されるか予断を許さない状況です。「憲法カフェ」など一人ひとりが「知る」そして「考える」機会をつくることや、地域での集会やパレードの実施など、身近なところから平和を訴え、広げていくことが重要です。戦後70年築いてきた「平和ブランド」を将来世代に引き継ぐために、安全保障関連法案廃案を求める活動に取り組みます。

7月1日 市民と超党派の議員による街宣

最後に、なぞかけをもう1題

「集団的自衛権」とかけて「お風呂のマナー」と解く その心は? 

   「戦闘(銭湯)」に飛び込んではいけません!