練馬発の新しい都市農業政策~未来を担う子どもたちのために~

23区の中で最大の農地面積を有する練馬区。朝採れの野菜が食卓を彩り、いちごやブルーベリー、柿など季節の果物を手軽に利用できるのが自慢です。

区立小中学校の学校給食では、練馬産の大根とキャベツを使ったメニューが提供されています。どんなに少なくても、年間2日は練馬産の野菜を食べていることになります。

区議会ニュースを使って議会報告中。

7月20日(土)、改選後初めての議会報告とともに、生活者ネットワークが掲げる「食の安全-命の源である食と農を守る-」政策実現に向けて、区民とともに学ぶ企画を開催しました。
講師は、自ら無農薬米を栽培し「我が家の米は自給率100%」と言う、練馬区在住のジャーナリスト大江正章(ただあき)さん。

2015年の「都市農業振興基本法」制定以来、それまで「宅地化すべきもの」だった「都市農地」が、都市に「あるべきもの」へと変わりました。
同年のインターネット都政モニターアンケートでは、回答者の85.5%が「東京に農業・農地を残したい」と回答しています。

農地保全のためには?

「都市農地があるべきもの」となったとはいえ、生産者宅に相続が発生した場合など農地を手放さざるを得なくなる状況は大きくは変わっていません。残念ながら練馬区内でも、農地から住宅地や高齢者施設に転換しているところは少なくありません。
農地として保全するために、新規就農者への賃貸借を促進したり、賃貸借を行った場合でも相続納税猶予の継続が認められるなど、さらなる法整備が求められます。

消費者のニーズは?

産地偽装や安心安全への関心の高まりから、有機野菜、オーガニック食品を求める消費者が増えています。

「新鮮でおいしい、さらに安全な野菜を利用したい」誰もが望むことだと思います。
スーパーでは「○○さんのトマト」など、顔が見える農産物が並び、他の野菜より少し高い値段で売られています。安全・安心にお金を払っているのです。
有機栽培の農産物が安価に食べられれば言うことはありません。

有機栽培をしていても「有機JAS認証」を取得していないと、パッケージや広告に「有機」「オーガニック」「無農薬」を使うことはできません。しかし、取得コストや書類作成などの手間もかかり、少量多品種を生産している農業者にとって取り組みづらい状況だそうです。

これからは有機農業

全国農業会議所が実施したアンケートによると、新規就農者の28%は「有機農業をやりたい」、65%は「有機農業に興味がある」と回答しているそうです。
また、新規就農者のなかで有機農業者の平均年齢は43.5歳、40歳未満が45%を占めているとのことです。

国は、規模拡大や輸出、専業化・専作化を重視しています。しかし、有機農業者の多くは「儲かる農業」より「納得できる仕事と生き方」をめざし、生活が成り立つ規模(1~2ヘクタール)を耕し、消費者、小売店舗、レストランなどになるべく直接届けようとしているそうです。

「自然循環機能の維持増進を図る」「土壌の性質に由来する農地の生産力を発揮させる」「環境への負荷をできる限り低減する」など有機農業とは、地球と地球の環境を持続的に保障するものであり、「有機農業には、社会的・公共的意義がある」と大江さんは強調しました。

練馬発の新たな都市農業政策

「生産者の顔が見える」練馬の農業をさらにすすめ、農業政策として練馬の農産物は栽培方法も明らかにした「安全・安心の練馬ブランド」を生産者とともに進めるべきです。
前述したように、「有機JAS認証」取得にはコストも手間もかかります。
そうであるなら、「練馬産農産物はすべて有機栽培」となるように支援していくことを提案します。

学校給食に最低2日の練馬産野菜メニューがあるものの、現状は学校によって利用量、利用頻度には大きな違いがあります。
学校給食の本格的な地産地消化をすすめるためには、必要量を決まった時間に納めるしくみが必要です。
小平市では、集荷センターとしてJA(農協)の直売所や支所を活用し、小規模農家へはJA職員が集荷に回るなど、JAが関わってしくみづくりをすすめたそうです。練馬でも参考にして学校給食へのさらなる導入の検討を求めていきます。
さらに、保育園や幼稚園、高齢者施設の給食へ導入することで販路、生産量拡大を図ることができるのではないでしょうか。

住宅と都市農地が混在している練馬ならではの都市農業をさらに充実させ、命の源である食と農を守っていきたいと思います。

講師の大江さんを挟んで、きみがき圭子(右)、やない克子(左)