学校での合理的配慮を見学

児童生徒のために階段にリフトを設置したり、校舎改築時にはエレベーターを設置することは、車いすなどで通学する子どもたちへの合理的配慮がわかりやすい事例です。

授業中に立ち歩くなど、落ち着きがなくじっと座っていられない児童に、集中力を高める工夫をしている先生がおられるとの情報をいただき、2月9日(土)の学校公開に合わせて授業風景を見学させていただきました。
授業後に担任の先生にお話を伺うと、
自席の足下にペダルを置いたり、手のひらを刺激する凹凸のあるボールを握ることで、みんなと一緒に授業を受けられるようになったとのことです。
ボールを使っていたお子さんは、今ではなくても大丈夫になったそうです。

じっと座っていることが苦痛と感じる原因のひとつに、幼少期にあまり外遊びができないことで、体幹の成長が未熟なことを指摘する研究者もいます。ブランコやロープにつかまってゆらゆら揺れたり、バランスボールで体幹を鍛えることで改善されることもあると聞きました。

他にも、重みのあるベストで体を適度に締め付ける「圧迫刺激」や噛むための「歯がため」など、好む感覚を刺激することで落ち着く効果があるとのことです。また、音を聞こえづらくする「イヤーマフ」など不快な刺激を減らすためのグッズが有効な場合もあります。

このような先進的な取り組みは「その子だけ特別扱い」していると、敬遠される相談も受けています。しかし、児童生徒には「教育を受ける権利」があり、教育環境を整備する合理的配慮が求められます。さらに、教員間、学校間で共有することも必要です。

子どもたち一人ひとりが、友だちと一緒の教室で安心して学ぶための教育環境の整備を働きかけていきます。

通販のカタログにあった「サイクルペダル」
訪問した教室にあったのはもっと簡易なものでした。