「グループリビング」という住まい方

2018年11月8日 11時48分 | カテゴリー: 活動報告

「住み慣れた地域で暮らし続ける」ことは高齢者の生活の質を保つ大きな要因です。しかし、民間の賃貸住宅では老朽化による建て替えや契約更新の際に、高齢を理由に断られるケースを聞いています。貸主にとっては、高齢ということで、急変時の対応や孤独死の心配があるからです。

一人ひとりの自由を尊重しながら、一つ屋根の下で入居者同士が助け合いながら暮らす「グループリビング」が、高齢になってからの住まい方のひとつとして求められています。

この夏、新座市の「NPO法人えん」が運営する「グループリビングえんの森」を視察しました。

「特定非営利活動法人 暮らしネット・えん」は、居宅介護支援、訪問介護、小規模多機能型居宅介護など20年以上地域で福祉活動を続け、必要に応じて事業を拡大してきました。現在は、認知症専門デイサービスなどの介護事業のほかに、グループリビングと配食事業を合わせて7事業をおこなっています。

8月半ば、最も暑い時期に訪問したのですが、施設の周りに地主さんの樹林があることで適度な日陰と涼しい風をつくり、木をふんだんに使ったとても快適なリビングで代表の小島美里さんのお話を伺いました。

代表の小島さんを囲んで

開口一番「高齢期の自治と共生は、たやすくなく若い世代のシェアハウスとは全く違います」とのこと。また、「これからはグループリビング単体での事業は経営的にも難しいでしょう」とも。利用者の立場からは、ある程度経済的な余裕がないと入居はむずかしいということです。

生活する上でのルールは、10名の居住者がみんなで話し合い、納得の上で決めます。不都合があれば見直すこともあるそうです。夕食を共にすることで、お互いの状況を確認することができます。

まさしく「住民自治」ですが、居住者の加齢の問題は避けられず、サポートする人は必要です。認知症中期になるとグループリビングは困難なので、同じ敷地にあるグループホームへ移る人もおられるそうです。このように、グループリビング単体で事業するよりも、多角的に事業を展開することで柔軟な対応が可能になり、利用者にとっても安心して住み続けることができることを学びました。

また、意思決定ができるうちから「老後はどう暮らしたいか」を意識してさまざまな情報を得たり、家族と相談して「選択」することは大切だと思いました。

これからも高齢者の住まいについての研究を重ねていきます。

 

えんの森 入居にか関わる費用

入居一時金:300万円
月額費用 :128,000円(家賃、食材費、共益費、家政委託料)
その他個人支払い:居室分電気代、自室電話・インターネット代、夕食以外の食費、衣料等々

居住環境
居室     約26.5㎡(約16畳)ミニキッチン、クローゼット、トイレ、洗面、床暖房など
共有スペース リビングルーム、浴室(大1、小1、シャワー室)、洗濯室、エレベーター、スプリンクラーなど