若年性認知症支援施策

2017年12月11日 13時40分 | カテゴリー: 地域・福祉・医療, 活動報告

若年性認知症とは、18歳から64歳までに発症した脳血管型、アルツハイマー病など認知症性疾患の総称です。2009年の報告によると、若年性認知症は女性に比べて男性の方が多く発症し、有病率は、18歳から64歳の人口10万人に対して47.6人とされ、区内では約200人と推定されています。

若年性認知症が高齢者の認知症と異なるところは、本人が働き盛りであり、家計だけでなく家族全体を支えている中心的存在であるという点です。また、認知症特有の症状が表れたとしても、仕事や育児など社会的役割を担っていることが多く、うつ病など他の原因を考えてしまうことなどから診断に時間がかかる場合があります。40歳以上で認知症と認定されれば、介護保険のサービスを利用することができます。しかし、「高齢者が多いところへは通いたくない・通わせたくない」や、「介護施設の利用を断られた」という声を聞いています。

若年性認知症専門のデイサービス

現在区内には、若年性認知症専門のデイサービスは定員7名の1か所しかありません。ここは、月曜日から日曜日まで毎日運営していて、公園や道路の美化活動、安全安心見回りボランティア、農園管理などの就労型支援活動や、体操やウオーキングなどの体力づくり、買い物や外出支援をしています。認知機能の低下が進むと、毎日新しい経験をするという不安を抱えた日々を過ごすことになります。施設に到着するまで長時間車で移動する間に精神的に不安定になって、活動に支障が出ることもあるそうです。

人口も多く、面積も広い練馬区には、若年性認知症に専門的に対応する施設が複数必要だと考えます。

しかし、区は、練馬介護人材育成・研修センターと連携して若年性認知症の理解啓発と支援力向上研修を実施し、区内のデイサービス事業所の受け入れ態勢の充実に取り組んでいるので、専門のデイサービスを新設はしないという考えです。実態に対応できているか、今後も注視したいと思います。

高齢者向けサービスの適用拡大

区は、2012年に若年性認知症の支援に関するアンケート調査を行っています。調査当時から「高齢者向けサービスの適用拡大」が要望のひとつとしてあげられていましたが、現在若年性認知症の対象となっているのは、GPSによる位置情報提供サービスの利用料助成のみです。私たちのところには、紙おむつの現物支給や費用助成の切実な要望が届いています。

これについては、「第7期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」の策定を進めるなかで検討をおこなっているとのことです。

「住み慣れた地域」「地域で支えあう」とは

12月2日に「地域で支えあう若年性認知症」というテーマの区主催の講演会に参加しました。講師は、都立松沢病院の精神科ソーシャルワーカー、木村亜希子さんでした。

国の認知症施策の基本方針は「住み慣れた地域の良い環境で暮らす」となっているが、「住み慣れた地域」が病気になっても高齢になっても当事者や家族にとって「住みやすい地域」「住みたい地域」であるのか、このような視点が大切であると大きな宿題を与えられたと感じました。また、「地域で支えあう」ということは、地域に暮らす一人ひとりに地域が合わせること。自分が受けたい支援が受けられる地域とはどのような地域なのか想像し、創造していくこと。このような視点で、今後も、若年性認知症当事者と介護する家族が安心して暮らすための福祉施策を求めていきます。