悪天候の衆議院選挙を終えて。

台風21号が迫る中、衆議院選挙が終わりました。

練馬区内の投票率は、9区が54.7%(前回比-0.1ポイント)、10区が53.7%(前回比-1.0ポイント)で、今回も、有権者の約半数が棄権したという結果です。

期日前投票者数は、9区・10区を合わせて約133,000人で前回の約1.5倍になりました。投票日の数日前から区役所1階の期日前投票所には順番待ちの列ができる状況でしたので、ひょっとすると今回の投票率はこれまでより高くなるのではないかと期待していましたが、少なくとも練馬では上りませんでした。台風接近による投票日の悪天候が予想されていたこともあり、期日前投票が多かったのは「必ず選挙にいく」と決めている人だったと想像できます。悪天候でなければさらに投票率が上がったのではないかと悔やまれます。

投票日前日にアイドルのイベント会場で「明日は何の日か、選挙に行くか」とインタビューしたラジオ番組では、「気になってはいるが、進学等で上京しても住民票を移動していない」、「政治のことがよくわからないまま投票することは無責任だと感じる」という若者の声を拾っていました。住民票を移していなくても早めに手続きすれば投票できることを大学などで知らせていくことが必要だと感じます。また、奨学金やブラックバイト、非正規雇用など若者を取り巻く問題と政治はつながっていること、その当事者自身が声を届けることの重要性も実感してほしいと思います。

それから、配慮が必要な方の投票に関する支援についても考えなくてはなりません。「足元が不安なので、選挙に行きたくても行かれない」という声は、選挙のたびに増えています。郵便等の投票制度もありますが、対象が限られていて手続きにも時間を要し、誰もが気軽に利用できるわけではありません。

また、視覚障がい者への選挙公報の対応も不十分だと当事者からご指摘がありました。練馬区では、あらかじめ登録している方に点字公報を郵送しているとのことですが、その人数は約10名。「問い合わせがあれば郵送する」という消極的な姿勢です。

「政治は生活を良くする道具」であり、選挙は有権者一人ひとりの意志表示をする機会です。ひとりでも多くの声が届くように、住民票を移していない場合の投票方法や、点字公報郵送のしくみを広くお知らせするなど自治体独自で対応できる課題の改善を求めていきます。

与党の圧勝に終わり、改憲、原発再稼働、外交、消費税増税などにどのように影響するのか心配です。しかし、圧倒的多数を取ったからと言って白紙委任されたわけではありません。わたしたち有権者は、投票した後こそさらに関心を持って、政治への要望、意見を伝えていかなければなりません。議員にお任せにしない、市民が参加する政治に変えていきたいと思います。