個人番号カードの申請を干渉(勧奨)するな

2016年1月の「社会保障・税番号制度」いわゆる「マイナンバー制度」開始から1年。この間、勤務先や金融機関などから個人番号の記載や提示を求められた方も多いと思います。また、2016年の確定申告から個人番号が必要です。「記載を拒むことでかえって不正申告を疑われる恐れもある」という趣旨の新聞記事もありました。しかし、制度が始まったからと言って、「個人番号カードを持たなければならない」というわけではありません。

練馬区では、マイナンバーカードを利用して住民票などの各種証明書をコンビニでの取得できるようになりました。それに伴い、区民事務所・出張所等に設置している自動交付機の利用は今年の6月で終了します。区は、自動交付機で使用できるカード(自動交付機専用カードや印鑑登録証など)利用者あてに、個人番号カードの申請を勧奨する通知はがきを出しています。昨年の12月末日現在の、区内の個人番号カードの状況は、申請数が92,281件(申請率 約12.8%)、交付枚数は68,055枚(交付率 約9%)です。

区は、マイナンバーカードの申請の促進と証明書のコンビニ交付の利用を勧奨するために、「マイナンバーカードの説明会とコンビニ交付体験会」を実施します(2月1日付の区報でお知らせしています)。マイナンバーカードについての説明、デモンストレーション用マルチコピー機を使った操作体験、マイナンバーカードの申請の案内および受付をおこないます。

1月19日の区民生活委員会では、この説明会を開くにあたって、機械のレンタル、精密機器の運搬、設置などにかかる費用は約100万円と説明していました。しかし、後日詳しい説明を求めたところ、2月から3月に開催される11か所分の経費が100万円で、4月の6か所分は約60万円かかる予定であること、さらに、国からの補助はなく、すべて練馬区の一般財源を充てるということがわかりました。

「総務省は、各自治体に対し、図書館の利用者カードや商店街のポイントカードとしても使えるようにするなどの利用促進を通知。全国の自治体図書館で使用できるようにしようと、全国3,200館に参加を呼び掛けている。」との報道もあり、国は自治体の負担でがマイナンバーカードの交付枚数を増やそうとしているのです。大切な税金の使い方としても考えなければならないと思います。

昨年10月からの(個人番号)通知カードの発送直後から繰り返し起こったシステムトラブルなどへの不信感やカードの紛失を懸念して、「個人番号カードはつくらない」、「カードがなくても困らない」という考えが主流です。区は、「コンビニの機械の使い方が不安」という声に応えると言っていますが、説明の場ではメリット・デメリットをわかりやすく伝え、個人番号カード作成を勧奨するべきではありません。