自衛隊を「国防軍」にさせない

2016年12月29日 09時06分 | カテゴリー: 平和・人権, 活動報告

ピースデポ副代表の湯浅一郎氏

ピースデポ副代表の湯浅一郎氏

12月26日、安倍首相がハワイの真珠湾を訪問し「和解の力」と題して演説したことが大きく報道されました。

戦争の惨禍は、二度と、繰り返してはならない。私たちは、そう誓いました。そして戦後、自由で民主的な国を造り上げ、法の支配を重んじ、ひたすら、不戦の誓いを貫いてまいりました。戦後70年間に及ぶ平和国家としての歩みに、私たち日本人は、静かな誇りを感じながら、この不動の方針を、これからも貫いてまいります。

という文章がありました。しかし、安保法の施行とその後の自衛隊への新任務の付与は70年間の平和国家としての歩みを揺るがすものであり、逆行していると感じざるを得ません。

「和解の力」というのであれば、世界各地の紛争解決にこそ力を注ぐべきです。

「変化する自衛隊とどう向き合うか」をテーマに、12月17日に海洋物理学者であり、NPO法人ピースデポ副代表の湯浅一郎氏の講演を聞きました。

1954年に「自衛のための必要最小限度の実力」という説明で自衛隊が発足。以来、1978年 日米防衛協力指針(ガイドライン)を転機とした拡大、大型化、海外派遣への準備。 90年代の湾岸戦争が海外派遣の日常化への大転換。 2007年の防衛相への昇格によって、海外任務が本務化。 2013年 初の国家安全保障戦略の策定と特定秘密保護法制定。 2014年 武器輸出三原則の放棄と「防衛装備移転三原則」。 2015年 安保関連法案強行採決、成立。 2016年 平和安全法制施行。と、「自衛隊」の枠を超え、「専守防衛」を逸脱する装備と大型化の歴史を改めて学びました。

現段階で自衛隊を容認する世論の根拠の多くは、災害派遣による恩恵ですが、自衛隊の本質はすでに「軍隊」であり、「憲法9条の枠」がなければいつでも米軍とともに戦争を担える体制を整えてきている。また、自衛隊の改憲草案には「国防軍(軍隊)の保有」が明記されています。自衛隊を「国防軍」にしないために「2つの柱がある」と湯浅さんは語ります。

①安保法制の廃止を求め、少なくとも発動させない中長期的な視野での行動

・PKO(平和維持活動)の変質に反対する運動の展開

・沖縄のさらなる軍事化を許さない(辺野古新基地、高江・伊江島の訓練場、特殊作戦部隊の共同訓練、与那国島、石垣島等の島しょ部への自衛隊の配備などなど)

②包括的な平和外交を具体化する―朝鮮戦争を終わらせ、北東アジア非核兵器地帯を―

安倍政権の外交政策は、「北朝鮮の挑発」をいいことに軍事的な外交一辺倒で対処策を有していない。いかにして「北東アジアの冷戦構造をなくしていくのか」外交的に解決する道筋を示すことが必要だという世論をつくること。

1945年には6発だった核兵器(アメリカがつくった)が、米ソ冷戦の中で1986年には地球上の核弾頭が約7万発にまで膨らんでいたという事実が象徴するように、「安全保障」を理由とした軍事力の保持が、相互不信の軍拡競争につながり、軍拡の連鎖を生んでいるのです。そして、現在も世界各地の紛争地では民間人の犠牲者が後を絶ちません。軍事力では決して平和をつくることはできないのです。「不戦の誓いを貫いてきた」というなら、世界平和に向けて働きかけるのが憲法9条を持つ日本の役割だと思います。ましてや、自衛隊を「軍隊」になど決してさせてはなりません。

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