投票率は上がったが・・・

2016年7月10日執行の参議院議員選挙の結果が出ました。

練馬区の投票率は7月10日現在、58.27%。前回2013年7月の参議院選挙より3.75ポイント上がっています。しかし、投票率は上がったものの、依然として4割以上の人が棄権したということです。

投票日間近、7月5日付の東京新聞の記事に、現実を突き付けられた思いです。それは、「貧困に対して政治は何ができるのか」、個人や企業から寄付された食糧を貧困世帯に無償で配るフードバンクかわさきで、今春から取材を続けてきた記者の報告です。記者は、フードバンクの配達車で利用者の家を回りながら「政治に望むことは」と問いかけ続けました。

病気を理由に生活保護を受けている男性は、「人並み以上に税金を使い、人様に迷惑をかけているのに、権利を行使していいのか・・・」。派遣を雇止めされ職を求めて川崎に移住し、身寄りもなく、冷蔵庫やテレビも買えない生活を送っている男性は、「正直、それどころではない」と。4割の棄権者のなかで、このようなケースはいったいどのくらいあるのでしょうか。

生活者ネットワークは 「政治は生活の道具」 と訴えてきました。生活をよくするために、「政治」を「政治家」を使いこなそうと。しかし、ここ数年は選挙のたびにその考えを実現していくことのむずかしさを感じています。新聞記事のように、もっとも必要とされる現場に、政治の手が差し伸べられていない現実。声を上げることさえできなくなっている現実。私たち政治にかかわるものは、あらためてその現実に向き合わなければと思います。

今回の参議員選挙では、与党の圧倒的な勝利でした。しかし、その一方で、福島、沖縄と大きな政治課題を抱えているところは現政権に対する、有権者の判断が明確になりました。また、川内原発のある鹿児島県知事選では、「反原発」の候補者が当選したことに希望を感じています。一人ひとりの持つ1票は、選ぶ権利であり、変えられる権利だということを改めて訴えたいと思います。

政治に無関心でも、無関係で生きていくことはできません。政治に関心を寄せられるように、そして、生活者の身近な困りごと、心配事が政治に届くように力を尽くします。