市民とともに調査活動!~市民政策提案につなぐ~全国交流集会報告part1

 7月1920日、全国市民政治ネットワークの全国交流集会が千葉県で開催された。「調査活動」をテーマにした分科会で、南田中・富士見台地域のまち歩き調査活動を報告した。

  練馬・生活者ネットワークが行ったまち歩き調査は、直面する「人口減少社会」「超高齢社会」にむけて、中学校区をコミュニティとして「地域資源」を発見し、その「活用」を地域の方とともに考え、政策提案につなげていくことを目的に行われた。医療、福祉施設や公共施設を確認する一方で、空き家・空き店舗が増えていることを実感し、調査後のワークショップでは、買い物支援や空き家を活用した居場所作りについて地域住民ならではの提案がいくつもあったこと、具体的な活用を区に求めたが、なかなか実現に至っていないことを報告した。

 調査活動から1年半が経ち、当時廃屋だったところが新築戸建て群に変わっている一方で、さらに空き家・空き店舗が増えて、より深刻な状況になっているところが増えている。市民事業を支援するような空き家活用や実態にあった適正管理を区に求めていく必要性を感じている。 

 「車いすウォッチング(市民ネットワーク北海道)」毎年実施している「まちのやさしさ点検」。今回は「札幌の観光は車いすで可能?」との問いかけから、観光地までの調査点検の報告。シャトルバスには車いすでは乗れないなどの問題点があった一方で、調査当時には授乳室が無かったものの、その後の要望で設置できた成果も報告された。

 「学校検診・心臓検査調査(とりで生活者ネットワーク)」は福島第一原発事故後、保護者のこどもたちの健康不安の声をきっかけに行われた。データの保管期間が5年から10年に延長された成果があるものの、さらなる延長を求めていくこと。現在小学1年と中学1年で行われる心臓検査を、全学年を対象にすることを求めて他の市民グループ等と連携し継続して活動していくことが報告された。

 「街路樹調査(市民ネットワークちば)」市民とともに歩き、行政・先進自治体・専門家に聞き取りをし、街路樹をめぐるさまざまな課題は「地域の実情・実態(財源や環境)にあった課題解決に市民参加で取り組み、町の財産として捉えることが求められる」と報告された。

 また、神奈川ネットワーク運動は5つのテーマについて多岐にわたる報告があり、活動の厚みを感じた。①子ども・子育ての法改定を受け、新制度を生かすために現場や当事者とともに政策アクションをすすめてきたこと。②縮小社会に向けて、高齢者の住まい・生活のあり方などについての調査・研究。③困難を抱える若者や生活困窮者の支援を実践しているワーカーズやNPOと連携した政策提案活動の展開。④自治体の廃棄物の継続的な基礎調査と自治体間の比較で地域課題を発掘。⑤子宮頸がんワクチンアクションは、予防接種にかかる副反応やリスク等を含めた情報公開や選択権の保証に視点を置き、市民とともにすすめた様々なアクション。

 各地の活動報告のあとのディスカッションでは「参加した市民が『変えられる』と実感すること」が重要であり、活動の原動力になることを共有した。地域の課題を市民参加型で取り組み、まちづくりをすすめていく実践こそ生活者ネットワークがめざす市民政治である。今後も、「市民が主役」の生活者の実感にもとづく政治を実現するために活動していくことを改めて決意した。