市民と自治体議員との連携で安倍政権の暴挙をストップ!

 安倍政権が、なんとか集団的自衛権の解釈改憲を閣議決定させようと、躍起になっていることに非常に危機感を感じています。7月1日には閣議決定するのではないかという報道もあります。戦後70年近く築いてきた、世界に対する平和国家としての信頼を、一握りの権力者の暴走によって覆させるわけにはいきません。

 練馬区議会第2回定例会の一般質問で、区内に2か所の自衛隊基地を擁する自治体の長としての姿勢を質しましたが、区長からの直接の答弁はありませんでした。担当の部長から「憲法に関わることは国民の代表である国会などで論議を尽くすべき。自治体として意見を表明する考えはない」と返ってきましたが、練馬区民が戦場で殺し、殺される状況になりかねないことへの危機感が希薄であると感じました。また、市民からは「集団的自衛権に関する憲法解釈を変更しないように国に働きかけることを求める」陳情書が提出されましたが、議論も結論も先送りになってしまいました。今後、早期に採択されるように、働きかけていきます。そして、自治体議員として、今日の日本の民主主義の危機を市民とともに打開し、立憲主義と平和憲法を守り、生かす行動を地域から広げていきます。

 

 集団的自衛権の解釈改憲を閣議決定しようとしている、安倍政権の暴走に危機感を抱く超党派の自治体議員が集結し、615日(日)に「自治体議員立憲ネットワーク」の設立総会が開催されました。設立総会に名前を連ねたのは、北海道から九州までの民主、社民、生活者ネット、緑の党、無所属の都道県議会議員や区市町村議会議員ら215人で、私も呼びかけ人の一人として参加しました。

 立憲ネットの目的は、立憲主義に立ち、平和主義、基本的人権、国民主義、地方自治に基づく日本国憲法が活かされる社会の実現すること。その目的達成のために、政党の枠を超えた国会議員の「立憲フォーラム」、戦争をさせない1000人委員会、脱原発をめざす首長会議と連携し、自治体議員の立場で活動に取り組みます。

 

 設立総会第二部では山口二郎法政大学教授(政治学:『立憲デモクラシーの会』共同代表)による「憲法と平和の危機」をテーマに記念講演がありました。以下は、要点を記録したものです。

 

◇民主主義とは何か

 真の民主主義とは 多数決原理ではなく、人民の意志をどう表現するか。多数者が誤った事例は山程ある。

◇安倍政権の野蛮さ

 「憲法などどうでもよい」という安保法制懇の本音

「安全保障は常に最悪を想定しておかなければならない」という空想世界での言葉遊び

 では、日本が他国の戦争に参加した場合の最悪事態を考えているのか?

 戦争のリアリティを知らない、知ろうとしない安倍首相とその取り巻き(安倍政権)は今までの自民党と質が違う。「はしたなさ」を恥じる気持ちがない。

◇集団的自衛権の本質

 憲法解釈の変更で9条の中身を改変することは「憲法ハイジャック」

 憲法に基づく政治という近代国家の立憲主義の否定であり、「法の支配」→「人の支配」への逆行である

 他国と共同の軍事行動に参加した後、「必要最小限」を超えるという理由で日本だけ撤退することなど、ありえない=「一発殴ったから終わり」はありえない

◇政治の現状と展望

 国民世論は集団的自衛権や憲法改正に慎重である

  しかし、国民的常識を受け入れる国政政党がない

「戦争できる国にさせない」一点で集結し安倍政権の暴走を止めなければならない

  山口先生のお話は「世論を変えれば政治は変わる。市民社会から、草の根から声を上げ続けることが大切」という言葉で締めくくられました。