祝卒業。社会人として生き生きとした働き方のスタートを!

 息子たちの卒業式に出席してきました。双子ですので、二校の卒業式を経験できました。女子が多くて華やかな所、男子が多くて会場が暗めのところ・・・それぞれでした。

 いくつもの試験を乗り越え卒業論文を仕上げ、無事卒業できると晴々した顔をたくさん見てきました。すでに就職先で研修中の方、最後の長い休みを満喫している方と様々です。 いよいよ社会人としてスタートするわけですが、彼らが生き生きと働き続けられことを願ってやみません。

  地域を回る活動の中で、「若い人の就職が大変って言うけれど、我慢が足りないんじゃないのだろうか」というご意見を伺うことが度々あります。果たしてそうでしょうか。

 かつては、学校を卒業して就職するのが当たり前でした。そして企業にとっても、新入社員を採用し企業の中で教育をし、企業人に育てていくということが当たり前でした。しかし長引く不況の中、人材育成に投資する余裕がない企業が増えいます。充分な教育をされないまま現場に出され、しかも成果を求められる。経済性・効率性が優先される就労状況のなか、仕事にやりがいを感じる前に心身ともに疲れ切ってしまう若者が増えています。

 ワーカーズで働いてきた経験の中で、働くことに不安を抱く若者が自分の仕事が人の役に立っていると実感し自分に自信を持てるようになる、意欲的に仕事に取り組むようになりその結果、仕事の質も向上するという姿を何度も見てきました。ワーカーズは社会や地域に必要な機能を仕事として作り出す、一人一人が出資することで年齢や性別に関係なく組織に平等な発言権があるという新しい働き方です。ヨーロッパではこのような協同労働の協同組合に歴史があり、実績があります。

 スペインのモンドラゴン協同組合は280以上に及ぶ事業を手掛ける巨大ネットワークで、組合員は83,000人です。その一人一人が1票の経営権を持って働くという、世界最大の協同組合です。モンドラゴンは“地域の雇用を守る“ことを最大の使命と掲げ事業をしています。2009年に始まった欧州経済危機の時も、ワークシェアや賃金カットという厳しい選択をみんなで議論を重ねて乗り越えてきました。

 仕事にやりがいや生きがいを求めることが難しい今こそ、このワーカーズを多くの若者とそのご家族の方に知っていただきたいと考えています。今までは働く場からワーカーズを広げる活動をしてきましたが、これからは政治の場から活動します。誰もが生き生きと働くことができる東京にするために力を注ぎます。